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2006年10月号

ようやく秋風が吹く季節になりました。
二十四歳で早逝した詩人、立原道造が夢みたヒヤシンスハウスが多くの有志により埼玉の別所沼公園の一隅に建っています。
東京帝国大学建築学科を卒業し将来を嘱望された若き建築家としての立原道造は、「ぼくの半身は詩を考え、もうひとつの半身は建築を夢見る」と書いていたそうです。たった五坪のヒヤシンスハウスに「住み心地良さ」を誰もが感じる事に、人が居住空間を考える時の重要な鍵が隠されているような気がします。日常生活で便利になっていく反面、家の中の「もの」が増え続け、余計な「もの」がやたらと多くなり、一間が二間、二間が三間と部屋数が増え、掃除道具や洗剤が増え、家事が増え続けます。生活空間をより「住み心地良く」するには、「もの」を減らしていく事も大切な事なのかも知れません。
書斎、書庫、キッチン、子供部屋、そして共同空間としての居間、食堂など・・。昔は一間で全て機能を果たしていた生活空間が広がりをみせ、それと同時に全てが増殖しました。豊かさが幸せとは、結びつきません。
携帯電話やi-pod(アイポッド)が身体の一部のようになり、パソコンが職場や家庭で必需品になり、DVDやケーブルテレビでいつでも映画を見る事が出来、世の中がとても便利になったようで、忙しくなった、時間がなくなったような錯覚をおこします。

こんな時は、月見の宴でも開いて、山里で採れた栗や茸、畑で取れた野菜を盛り、秋草を飾り、全ての情報機械から解放された時間の中で自分の呼吸を感じ、秋風に吹かれてみます。そして、好きな本でも読んでいると、その狭い空間に何とも言えない至福の時間が感じられ、本来、人は、そのくらいの空間で充分なのだと思い、その度に立原道造のヒヤシンスハウスを思いだします。欲を捨て、「心地よい」状態でいられる空間作りを「精神の充足出来る状態」に自分をもっていけるようにしたいものです。春、夏、秋、冬・・・。季節の風を感じられる人でいられるよう、小さなものを大切に出来る心と、草花を愛する心と、自然に身をまかせられる柔軟さと、そして研ぎすまされた厳しさを少しもって年を重ねて生きていきたいと感じるこの頃です。
イサム・ノグチが「自分は、石から生まれ、石にかえる」と晩年に話していたそうですが・・・。自分の本当に大切なものは何かをしっかりと考えて日々生活をしていきたいものです。

展覧会のご案内

石原彰二展
10月1日(日)午後2時~9日(月・祝)
2日からは、午前10時~午後6時(最終日は、午後5時終了)

ノイエス朝日での個展は2回目になる石原彰二さんは、桐生出身、スペイン在住32年になります。
最近では、「アミ、小さな宇宙人」「戻ってきたアミ 小さな宇宙人」「アミ 3度目の約束」(徳間書店)の翻訳者としても知られ、昨年3冊とも文庫化されました。
今回の展示作品は、ここ1年で制作した新作を展示いたします。
昨年に引き続き、スペインの風景を楽しんで下さい。
会期中、作家在廊しています。

塚本実 油絵展
10月14日(土)~22日(日)
午前10時~午後6時

在仏38年になる塚本実さんの新作展です。
フランス美術院肖像画コンクールにてP.L.ウェレール賞受賞。
人物、花、風景を見る(観察する)ことにより新しい発見、そして新たなる技法に、繰り返し描き続ける姿をパリの光の中に感じます。刻々と変わる光をとらえる、その色彩感覚はパリに住み、身体で光を感じて表現出来る作品です。
萩原朔太郎の「旅上」にあるように

ふらんすへ行きたしと思へども
ふらんすはあまりに遠し・・・・

パリの風景、空気を感じて下さい。
塚本実さんも帰国、在廊しています。

大西靖子木版画展
10月28日(土)~11月5日(日)
午前10時~午後6時(最終日は、午後5時終了)

「花と心の彩り」出版記念、ノイエスで2回目の展覧会です。
天草で暮らす大西靖子さんのアトリエから生まれ出る作品は
自然からの贈物のように詩情があり温かさがあります。

金井弘應先生による
第1回 「空海を読む」
10月10日(火)午前3時~5時
ノイエス朝日 1階 スペース1
聴講料 1000円(ドリンク付)
*参加ご希望で、お申し込みがまだの方は、ノイエス朝日までお電話下さい。(ただし、展覧会会期中にお願いいたします)

県内の展覧会・講演会情報

迷宮+美術館 
コレクター砂盃富男が見た20世紀美術
10月22日(日)まで 
高崎市美術館・群馬県庁昭和庁舎2階特別展示室〈2会場〉
*入館料、休館日、開館閉館時間は直接お問い合わせ下さい。
(電話027-324-6125・高崎市美術館)
(電話027-254-4000・県立美術館事務室)

岡部蒼風遺作展
10月4日(水)~15日(日)午前10時~午後6時
邑楽町立図書館展示室 (月曜日は休館)
入場無料
記念講演会 10月7日(土)午後3時~
講師 加納石人(書家) 入場無料
(電話0276-88-5900・邑楽町図書館)

萩原朔太郎生誕120周年
萩原朔太郎。多田不二・岡田刀水士
―神秘主義の一系譜―
10月14日(土)~26日(日)
午前9時30分~午後5時(入館は4時30分まで)
群馬県立土屋文明記念文学館(休館日は火曜日)
会期中、記念講演会があります。入館料や講演会日時、講師
などにつきましては、直接お問い合わせ下さい。
(電話027-373-7721・土屋文明記念文学館)

「第8回ぐんまを語る連続講演会」のお知らせ
10月26日(木)午後2時~3時30分
講師 内山 節 氏(哲学者・立教大学大学院教授)
演題 群馬の大地から学んだもの
群馬県庁2階 ビジターセンター 参加費 無料
定員130名(電話 027-226-4352)

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