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EXHIBITION | 展覧会

創作袋物 尾崎暁美作品展 ~布の世界~

 
 

布のともに生きて

新世紀に 入り、今、改めて布とともに生きてきた年月の深さを感じています。私の作品も最終楽章を迎えようとしているようです。

西陣織りの美しさに惹かれるまま袋物を作り始めた第一楽章。
銀座を始め、各地で作品展をさせていただくようになり、多くの触れ合いを経て枝を伸ばさせていただいた第二楽章。

平安の雅な笛の音、元禄の華やかな歌、季節を渡る風、さんざめく子どもたちの笑い声、布を語る物語に耳を傾け、心を遊ばせた袋物創り。そして私自身の悩みや歓びも静かに聞いてくれた布との永い時間。

何世紀も超えてきた「時渡り」のイメージを、切り取った時間を覗き込む窓のような、或いは鏡のような作品にしたいという願いは変わりません。それぞれの布の音を楽器のように心のまま組み合わせて奏でられたなら・・・それが表現者として一番幸せな瞬間なのです。

尾崎 暁美

ふくろもの作家、尾崎暁美のこと

尾崎 亜美

満州で生を受け、自然に恵まれた信州長野で学生生活を送った母、暁美が京都に住む父のもとに嫁いで来たのは昭和28年のこと。彼女はかれこれ45年間京都に住んでいることになります。

西陣織の仕事こそしていませんでしたが、家は西陣の中にあり、父は織子さんたちに歌を教えていたこともあって、彼女は自然に帯と出会いました。

その複雑な組織がいろいろな人の泥区や知恵でできていることを、母はたぶん理屈ではなく感覚的に深く感じたのだと思います。

母がふくろものを創作するために使う生地は主に西陣の帯です。昭和30年頃からこつこつと集めてきた彼女の大切な財産の中には今ではとても手に入らないような古い帯、複雑な帯があります。もちろん西陣織以外のすばらしいものも。

さまざまな生地にはそれぞれの物語があるようです。母はその言葉に耳を傾け、ひとつずつ仕上げていきます。
創作にかかる時、色とりどりの帯地を部屋中に拡げていることがあり、そういう時の顔は本当に幸せそうです。華麗な色のグラデーションに山々の紅葉を見出し、清々とした川の流れを感じ、それを「ふくろもの」という世界に切り取っていく作業を心から愛してやまないのでしょう。先人の遊び心を掬いとって現在に生かす、そういう仕事を。

 

会期  2004年12月11日(土)~19日(日)
 AM10:00~PM6:00 (最終日はPM5:00まで)
会場  ノイエス朝日 スペース1・2
 前橋市元総社町67番地 TEL:027-255-3434 FAX:027-255-3435

略歴

大正15年 満州に生まれる
昭和18年 長野高等女学校卒業
昭和28年 結婚 以来50年間京都に在住
(娘はシンガーソングライターの尾崎亜美)
昭和52年 日本手芸美術展入選
昭和62年~ 銀座・横浜・盛岡はじめ各地で作品展示

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