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EXHIBITION | 展覧会

住谷正巳展「メカニカル アブストラクト」

20091017p

会期:2009年10月17日(土)~27日(火)
 AM10:00~PM6:00(最終日はPM5:00終了)

「…ネ・ネ」  桑原盛行

住谷さんの作品に接すると思い出すシーンがあります。
住谷さんの個展(南画廊)に行った時に、画廊主の志水楠男さんが僕に嬉しそうに言ったシーンです。
「彼の作品は女の人が持つハンドバックのように、開けると様々なモノがあって男に驚きを与えてくれる、それがイインダヨー、ネネ」と言いながら作品に触っていた。
僕は、「ハンドバックを開けてみる男のドキドキ感」はいまいち分からなかったけれども。
僕が初めて住谷作品に出会ったとき、「何とも言えない親近感を憶えた…」、そして「これは何だ?」と思った。
作品形成の重要な役目を担わせている「螺子(ネジ)」の存在に気づいた、
「螺子は、なぜか男の子は大好きなんダヨナー…、そうか螺子が、想像力の起動キーを押したんだ」。

志水楠男さん独特の好感表現である、「…ネ・ネ」に共感できる。

桑原盛行は「図楽/DUGAKU」の概念設定のもとに制作活動、発表を繰り返している。主作品として「円奏」「一つの円へ」「海の構造」など。
 (画家)

金属の畑の収穫祭 染谷 滋

住谷正巳さんを紹介するには、前橋グリーンドーム前の《祭りの詩》と題された10メートルを超える巨大な"X"の作者だといえば話が早いが、同じ前橋市内の国道17号線に面した銀座通り入り口に設置された《水門》の方が、住谷さんの作風を良く表している。ステンレス特有の銀色の輝きと、計算され尽くしたスマートな形態と同時に、機械いじりが好きな男の子を連想させるネジやナットの造形のユーモアが見る人の笑みを誘う。
 以前私は住谷さんを「金属の畑を耕す人」と形容した。八王子郊外のアトリエを訪ねたとき、庭の芝生の所々に置かれた作品が、丹精込めて育てた農作物のように見えたからだ。
 個展は一種の収穫祭だ。3年前のノイエス朝日での「脱皮」と題された個展では、アルミに施されたカラフルな色彩で驚かされた。今回もその延長線上の作品があるが、主役はむしろ色のない真鍮のメカニカルな作品にあるようだ。この機械的な造形の即興詩にこそ、どうやら作者の原点があるらしい。作品が何を語りかけてくれるかは、是非個展会場で確かめていただきたい。
 (群馬県立館林美術館学芸次長)

住谷正巳略歴

1936 群馬県群馬郡群馬町に生まれる(現高崎市東国分町)
1963 日本大学芸術学部彫刻科卒業
 在学中から新制作展に発表 ’60/’61/’63東京都美術館
1967 モダンアート展 東京都美術館 [-’72]
1968 第8回現代日本美術展 東京都美術館
1972 個展 現代彫刻センター(東京都/大阪府)
1973 第1回/第3回彫刻の森美術館大賞展 彫刻の森美術館(神奈川県)[’76]
1976 個展 南画廊(東京都)
1980 個展 ギャラリーせいほう(東京都)[’82]
1982  個展 ギャルリーユマニテ(名古屋市/東京都)[’84]
1984 新収蔵作品展 国立国際美術館(大阪府)
1985 レリーフ・反レリーフ展 千葉県立美術館
 ASPECT OF CONSTRUCTIVISM  THE ATRIUM GALLERY (NEW YORK)
1986 個展 煥乎堂ギャラリィ(群馬県)[’94/’99]
1990 人のかたち・いろいろ 近鉄アート館(名古屋市)
1986 個展 ギャラリー絵門(名古屋市)[’94/’95/’98/’99]
1993 個展 タニシマギャラリー(東京都)
1997 NICAF TOKYO ’97 東京ビックサイト
2004 個展 伊勢現代美術館(三重県)[’07]
2006 高崎ゆかりの作家たち 高崎市美術館(群馬県)
 個展 ノイエス朝日(群馬県)
2008 個展 たましんギャラリー(東京都)
2009 群馬の美術 1941-2009 群馬県立近代美術館

●パブリックアート
所沢航空記念公園(埼玉県) 新座市営霊園(埼玉県) 
立川駅北口広場(東京都) 国立群馬工専
前橋銀座一丁目,二丁目(群馬県) 瀬戸大橋与島P.A.(香川県)
グリーンドーム前橋(群馬県) 群馬県立吉井高等学校

●パブリックコレクション
伊勢現代美術館(三重県) 金井現代美術館(北海道)
国立国際美術館(大阪府) NEW BERGER MUSEUM (NEW YORK)

EXHIBITOR | 出展者のご紹介

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