お問い合わせ | リンク | 
Home » 展覧会情報 » H₂K 今。展 ―三人三様 ドローイング―

EXHIBITION | 展覧会

H₂K 今。展 ―三人三様 ドローイング―

作品 掛川孝夫 「3.11 その時(部分)」/萩原敏孝 「untitle」/平野裕明 「祈り ′14-7」

会期 2014.10.25(土)~11.3(月・祝)午前10時~午後5時
会場 ノイエス朝日 群馬県前橋市元総社町73-5

 

■掛川孝夫
1951 年 群馬県甘楽郡下仁田町生まれ
1976 年 全群馬青年美術展優秀賞受賞
1977 年 東京藝術大学大学院修了
1993 年 国展会友優作賞受賞
1994 年 上毛芸術奨励賞受賞
2009 年 郷土の作家展(~毎年)
2014 年 夢の軌跡ぐんまの作家59 人展
個展10 回(高崎高島屋、ノイエス朝日他)

現在 国画会会員・群馬県美術会会員
日本美術家連盟会員

 

■萩原敏孝
1957 年 群馬県高崎市(旧群馬町)生まれ
1984 年 東京藝術大学大学院修了
1995 年 国展国画賞受賞
1996 年 国展新人賞受賞
1996 年 文化庁現代美術選抜展
1999 年 国展安田火災美術財団奨励賞受賞
2000 年 第19 回安田火災美術財団
奨励賞展優秀賞
個展5 回(ポピー、翠巒、オブジェ他)

現在 国画会会員、群馬県美術会会員

 

■平野裕明
1960 年 群馬県富岡市生まれ
1984 年 第10 回群馬青年美術展 大賞受賞
1986 年 東京藝術大学大学院修了
フランス政府給費留学生として渡仏
1990 年 第14 回 上毛芸術奨励賞
2001 年 第75 回 国展 国画賞
2009 年 郷土の作家展(~毎年)
2014 年 夢の軌跡ぐんまの作家59 人展
個展8 回(煥乎堂、富岡市立美術博物館他)

現在 国画会会員 群馬県美術会会員
日本美術家連盟会員

 

描くことの射程

三人の画家がいる。画家たちのテーマは何か。
画家たちは描かざるをえないという事実を描いた。
何をイメージしたのかではなくて、三人三様に描くという事実そのものが出来事(作品)なのだ。
私たちは「3.11」で数万人の死者を、津波で崩壊する村や町を見てしまった。
死がどういうことか、原発に還元不能な現実をはっきりと納得させられてしまった。

ドローイングはイメージの動きの直接的な現存であろうか。
現代にアートが存在するのには、その作品は私たちを支えるに足る強靭さを秘めていなければならない。
記憶と予兆で創造力を、幻想を体験するのだ。

掛川孝夫は、「3.11 その時」について言う。
―芸術は人が如何に生きて死んで行くのか、その過程への想像力だ。亡くなる一瞬前のその人への想像力を形にして居る―と。
掛川は死者の一人一人全てを鎮魂し描くと告白する。心を直に慟哭のイメージする姿を。いかなる視覚の酷使もいとわない。

萩原敏孝は「探究」する。
自然は曲線に溢れて、ありえない何か、ありそうにない何かを反復させてくる。直線は精神や意志を高揚させる。
線は内面と外的世界との不可思議で神秘的な均衡を探究させる。線の自動記述は出現を望んでいる未知の世界を生成させるからだ。
現実は過剰すぎるが、偶然性はもっと過剰な可能性に飢えているようだ。

平野裕明は、「震災と原発事故」を墨のイメージの沈黙に沈める。
伝統的美意識と「3.11」との差異(ずれ)に幻想をモザイク状に構成する。イメージそのものをリアルに生起させ反射させる。
感性を円形で引きしめる。自分と切り結ぶ伝統美を告発するようだ。問いを投げかける。
ドローイングは「祈り」の透明なイメージを深く読ませる。

岡田芳保

EXHIBITOR | 出展者のご紹介

top